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そして、一番は誰だろう、と退屈で窮屈な先生の話を聞くうちに思った。
教室を見渡したら、一人、いかにも、割に合わない、という顔で先生の話を聞いている子がいた。岡田くんだった。
私は、なんか、面白くなってしまって、笑うのを堪えるのに必死だった。
なんで、笑いを堪えるのに必死だったんだろう。
何が面白かったんだろう。でも、確かに、おかしかったんだよ。
あんな先生の言動にいちいち腹を立てる彼が?
そんなのどうでもいいじゃん、って?
学校という場所の理不尽さに?
学校なんて嫌いだ。
でも、幼稚園の頃、幼稚園に行けないと泣いてた。
静かな部屋。
テレビ。
一階。
怖かった。
一人でいるのが。
最近、泣いてない。
5月26日に1時間も2時間も泣いてから泣いてない。ずっと。
泣けない。
泣きたい。